石川慶/恩田陸『蜜蜂と遠雷』
ありふれた表現ですが、大学生の頃に単行本を読んで、 言葉だけで頭に音楽が流れるという体験をしたことを今でも鮮明に 覚えているほど思い出が詰まったこの作品。
正直、 実写化が発表された時はこの作品は本だからこそ光るものがあるん じゃないかなと思ったのですが、 そんなの全然関係ないぐらい素晴らしかった! 我らが松岡茉優も最高でした。明るくみえるけど、 どこか少し暗さが見え隠れする感じがほんとにいい。「 勝手にふるえてろ」からすっかり松岡茉優さんの虜です。
映画の話に戻ると、メインの登場人物の4人いるのですが、 それぞれの目線の入れ方が難しかった気がします。 音楽家としの葛藤や心境、天才と凡人、 新時代の天才と蘇る天才など、 この作品の登場人物は魅力的すぎるからこそ、 2時間の映画に詰め込むのは難しくなるよなー欲を言えばフジの連 ドラで観てみたかった。あとブルゾンちえみ、 嫌いじゃないんだけどこの映画では異質感しかなくて辛かった。 神は細部に宿るというが、 こういった細かな配役こそ映画全体の印象を大きく変えると思う。